公開書簡(GMOに関する感想)

最後に少しつづります。
今日の授業で質問できなかったことに少し自己嫌悪なのですが,GMOの問題は非常に難しい問題だと思っています。雑感的に思ったことなので,これは質問なのか,感想なのか,考えていたら授業が終わってしまいました。
僕も専門家ではないので分からないのですが,消費者の立場から見ると,特に自分に対して大きなベネフィットのないものは買わずに,むしろそれと同等の機能を持つ食品を買うと思いますし,よく分からないこと(特に危ないという情報)は自分で調べるよりも他人から聞いたことをそのまま思い込むものと思います(中谷内先生の著書からの連想ですが)。
そのため,以下のようなことを考えていました。

①現状はエッセンシャルユース(医薬品製造等)を守る用途でいいのではないだろうか。
②正しいリスクコミュニケーションができていない状態で普及しようと努力することは,さらに消費者の不安リスクを大きくする原因になりはしないだろうか(いくら法律で使用規定が決められても,ありがたがるのは生産者側で,消費者側はそれほど信頼しないのではないだろうか)。
③まず,リスクリテラシーをさらに厳格なものにして,GMO研究者の襟を正させて,正しい情報を流すように促す必要があるのではないだろうか。

想定され得るすべてのシナリオにおいて,リスクはない(に等しい)とするか,われわれがどれだけ大きなベネフィットが得られるのか,それは我々の生活にどう直結するのか。人の損得感情を上回るようなさらなる何かを動かさないと,GMO問題は上流側で解決してもそれが下流側へコンスタントに伝わらないような気がするのです。

私が専攻している化学物質の分野も同じことが言えるのだと思っています。