リスク・ベネフィットの真新しい概念図


このタイプのグラフは縦軸が「頻度」,横軸が「重大さ」のALARP(許容可能なリスク)を説明する図として有名だ.
でもよ〜く見てみると,縦軸は「リスクレベル」,横軸「ベネフィット」の非許容リスクと許容リスクを説明する図!
こんな図もあったのだと感心していた(よく考えてみれば,当たり前なんだけど,二軸にリスクとベネフィットを持ってくる図があるなんて知らなかった).リスクがある一定以上高い場合を想定したとき,それ以上コストを投入しても低減することができないリスクや,リスクよりもベネフィットが大きな場合は,そのリスクを受忍する「受忍限度内リスク」が存在するというもの.
僕の考えとピッタリだ.でもベネフィットが大きかったって,この領域に入れない問題もあると思う.

原子力発電に関しては,この考え方がスポっとあてはまるだろう.なぜなら,想定内のリスク種は大体同定されているし,定量化され始めてから久しい.
でもGMOに関しては…リスクを算出することができないほど,不確実な問題.
この場合,ある程度リスクが算出されるか,想定外のリスクはそれほど大きくはならないという見立てがたった場合,その使用条件の下のみで,やっとリスクとベネフィットの議論ができる.
リスクが分からないけど,ベネフィットが相当大きいから,という論理は,一般市民に認知されるリスクに対し何ら良い影響を及ぼさないと思う.