2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

BSE問題と難燃剤

ここ最近,中西準子さんの雑感をはじめとして食品安全委員会委員の人事案の件が非常に大きな反響を呼んでいる。僕は何の気なしにこれらの流れを追うだけになっているのだが,薄々つっかえてきていたことが最近ようやく見えてきた。 それは,BSEの輸入再開問…

BSEF HBCDファクトシートの日本語訳版公開

BSEF Japanホームページにて公開されている。 さて,今回は前回の版より結構内容が変わったが,来年の今,ファクトシートが更新されたとするとどんなことが書かれるのか。激動の年末になりそうだ。 翻訳版 英語版

カドミウムと食品安全委員会

食品安全委員会の汚染物質部会,つまりはカドミウムのTWIの是非を決める部会の最新会議の議事録・カドミウム評価書が出たようだ。 第一回汚染物質会(4月7日) http://www.fsc.go.jp/senmon/kagaku_osen/k_o_osenbukai-dai1/index.html ・EFSAによる評価概要…

NITE化学物質管理センター成果発表会を見て

NITE化学物質管理センター成果発表会 2009 http://www.safe.nite.go.jp/seika2009/seika2009_repo.html 発表スライドが公開されている。その中で,面白いなと思ったスライドをメモ。 「化学物質のリスク評価への理解と期待」亀屋 隆志 http://www.safe.nite.…

科学技術をめぐる論争とフレーミング

Web上でたまたま見つけたのでここに紹介する。 科学技術のガバナンス〜科学技術社会論の視点から〜 平川 秀幸 http://www.n.t.u-tokyo.ac.jp/gcoe/shiminkouza/docs/hirakawa.pdf ここに面白いスライドがいくつか掲載されていた。 スライド11 GM作物の栽培を…

HBCDの魚体中濃度が減少を示している

Ismail, N., S.B. Gewurtz, et al. (2009). "Brominated and Chlorinated Flame Retardants in Lake Ontario, Canada, Lake Trout (Salvelinus Namaycush) between 1979 and 2004 and Possible Influences of Food-web Changes." Environmental Toxicology a…

NITEのCMCレターを読んで

2009年6月(最新号) NITE CMCレター第11号 http://www.safe.nite.go.jp/shiryo/cmcletter/pdf/CMCletter_No11.pdf 今回は特集として「化学物質管理のリスクコミュニケーションの課題」が組まれており,産総研の岸本充生さんが寄稿されていた。そしてこれを読…

Wikipediaを馬鹿にしちゃいけない

先日,発表資料を作ったときに引用文献のところに「海外版Wikipedia」としたら,皆から突っ込みが入ったのだけれど,いやいや,これがすごいんですよ,海外版。 一番すごいのはDecaBDEはこんな感じで,ちょっとしたレビューより参考になると思う。結構毎月の…

サブスタンスフローの"力"

LCAでは時間の概念をすっぽりと抜いて,平準化・一般化して考える。リスク評価では時間軸も多少考慮するけれど,その推移を見たりすることは一般的にない。評価した時が懸念なしなら,それでいいじゃないか,というスタンス。 さて,それらに対してサブスタ…

UNECE④ UNECEとしての結論

ECE/EB.AIR/WG.5/2009/7 17 June 2009 http://unece.org/env/documents/2009/EB/wg5/wgsr45/ece.eb.air.wg5.2009.7.e.pdf ・UNECEタスクフォースはHBCDにPOPs様があると結論づけた提案書を支持した。 ・しかしながら,2人の専門家が「LRAT性を持つ結果が,HB…

UNECE③ UNECEのレビュー結果の内容

Track A HBCD Lead Reviewer’s Summary of Hexabromocyclododecane (HBCD) Reviews. UNECE TASK FORCE ON POPs. http://www.unece.org/env/lrtap/TaskForce/popsxg/2009/Trk%20A%20HBCD%20Lead%20Reviewer's%20Summary%20_9%20Apr%2009,%20UNECE_.pdf 4人の…

UNECE② UNECEのレビュー結果のまとめ(かなり大雑把なまとめ)

Track B reviews of Dicofol, Endosulfan, HBCDD, PCP and Trifluralin http://www.unece.org/env/lrtap/TaskForce/popsxg/2009/Track%20B%20draft%20summary%20for%20TFPOP2009Defversion.pdf ・各国,そして各国際機関はHBCDのリスクに関する情報やマネジ…

UNECE① 長距離移動性に関する報告書

UNECEが(委託している機関の?)長距離移動性調査の報告書を簡単に読んでみた。 Model assessment of potential for long-range transboundary atmospheric transport and persistence of HBCD. EMEP MSC-E Information Note 4/2009. http://www.msceast.or…

UNECE

国連欧州経済委員会UNECEというUNEPと同列の国連機関がタスクフォースを組み,UNEPに先駆けて(2009年10月のPOPRC5)HBCDのPOPs能についてレビュー,結論を出していた。この機関は有名なのだと思うのだが,僕は不勉強で最近まで知らなかった。これらすべてUN…

ノルウェー汚染管理局の恐ろしい一言

ノルウェー汚染管理局(SFT)の2007年5月に公表されたレポートを見つけた。その次の月,2007年年6月,SFTは世界貿易機関(WTO)に対し,2008年1月からノルウェーにおいて消費者製品中の18物質を禁止する意図を通知した。規制案は,「消費者製品中の特定有害…

スウェーデン母乳中のHBCDはほとんどが定量限界以下

Environmental Research Volume 109, Issue 6, August 2009, Pages 760-767 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19477439?dopt=Citation

火災抑制のベネフィット

下記SOCOPSEの報告書より。 http://www.socopse.se/download/18.2f3a7b311a7c8064438000936916/Annexe+4.+Deliverable++2+1.pdf 大気へのPBDEsの放出の一要因は火災による放散である(P26,27)。また,水域・土壌へのPBDEsの放出の一要因は消火水である(BDEs…

深海魚からはHBCD,TBBPAともに検出されなかった

スコットランド西沖の深海魚3種類を調査。ただ,PBDEsは河川魚と同等くらいの体内濃度を持つ魚も存在しているようだ。 Halogenated persistent organic pollutants in Scottish deep water fish Lynda Webster, Pam Walsham, Marie Russell, Francis Neat, L…

SOCOPSEという団体

EUが新しく設置した水に関する指針(2000/60/EC)により,高有害物質に対する新たな排出削減戦略が必要となり,政府・産業界・EU政策立案にとって実現可能かつ費用対効果の良い政策の導入が必要になったため,EU各国によって設立された団体のようだ。 ここの…

新たなファクトシートが出される

BSEF本部より,HBCDのファクトシートがこの6月に出された。 http://www.bsef.com/uploads/Documents/documents/HBCD_factsheet.pdf 内容はこれまでより一層充実している感じ。いくつか個人的に面白かったポイントを取り出してみる。 EPSやXPSは国際的な,地…

野菜や果物が有害な難燃剤漬け

食品安全ブログより Fruits and Vegetables Potentially Soaked With Toxic Flame Retardant Chemical June 24, 2009 http://www.ewg.org/plastic-food-pallets-fire-retardant 野菜や果物の運搬や保管に使われているプラスチックコンテナの難燃剤デカブロモ…