ノルウェー汚染管理局の恐ろしい一言

ノルウェー汚染管理局(SFT)の2007年5月に公表されたレポートを見つけた。その次の月,2007年年6月,SFTは世界貿易機関WTO)に対し,2008年1月からノルウェーにおいて消費者製品中の18物質を禁止する意図を通知した。規制案は,「消費者製品中の特定有害物質禁止」として公聴会用に発表された。当時,EUの規制とは一線を画す「スーパーRoHS法」として巷で騒がれることになる。しかしその後,各国・産業界からの猛反発に合い,あえなく終息していくことになる。この時に規制しようとした各化学物質の規制影響評価が本レポートにあたる。

Impact assessment of a proposal for prohibition on certain hazardous substances in consumer products
http://www.sft.no/nyheter/dokumenter/miljogifter_forbrukerprodukter_engelsk_konsekvensvurdering290507.pdf

HBCDももちろん規制対象物質としてロックオンされているのだが,とても規制影響評価と呼べる代物ではない。そして,HBCDの章の最後を,以下のように綴って終えている。

消費者製品中のHBCDの厳重な使用禁止は最も最善の方法である。なぜなら,消費者は(我々は)短期間での大きな排出量削減を望んでいるからである。従って,本規制の社会経済的なベネフィットはコストを大きく上回ると推察される。

彼らにとってのベネフィットは,単に環境リスクを削減するだけだったのだろうか。