カドミウムと食品安全委員会

食品安全委員会の汚染物質部会,つまりはカドミウムのTWIの是非を決める部会の最新会議の議事録・カドミウム評価書が出たようだ。

第一回汚染物質会(4月7日)
http://www.fsc.go.jp/senmon/kagaku_osen/k_o_osenbukai-dai1/index.html
・EFSAによる評価概要がPPTスライドで掲載されている
 http://www.fsc.go.jp/senmon/kagaku_osen/k_o_osenbukai-dai1/k_o_osenbukai1-siryou2.pdf

第二回汚染物質会(5月28日)
 http://www.fsc.go.jp/senmon/kagaku_osen/k_o_osenbukai-dai2/index.html
カドミウムの評価書改正案(Ver.2)
 http://www.fsc.go.jp/senmon/kagaku_osen/k_o_osenbukai-dai2/k_o_osenbukai2-siryou1.pdf
(これを議事録と共に読むと,非常に分かりやすい。)
→議事録:http://www.fsc.go.jp/senmon/kagaku_osen/k_o_osenbukai-dai2/k_o_osenbukai2-gijiroku.pdf

第2回の会議の中で,気になったところをまとめると,

  • 基本的には食品安全委員会は7μg/kg体重/週をリスク評価の結果として結論付けており,基準の設定,つまりTWIなどは厚生省の方で作ってもらうという,これまでと同じ結果になっている。
  • EFSAのリスク評価では,2009年3月にTWIが2.5μg/kg体重/週と設定されているが,このの耐容週間摂取量は、腎障害を示唆する腎機能変化の早期指標に基づくものであり,これを超過する曝露集団でも有害影響のリスクは極めて低いと結論づけていることから,食事からのカドミウム曝露を低減するための"努力目標"としての位置づけが強いと考えられる。(つまり,これを越えたからと言ってなんだかんだと言うことではない。)
  • 結論として,TWI=7μg/kg体重/週は委員会の共通の認識となった。

EFSAが出したTWIで結構大きな騒ぎになったけど,結局は「努力目標」という認識だったなんて。これはEFSAが案に意図していることなのか,それとも食品安全委員会の認識なのか。EFSAにちゃんとヒアリングした方がいい気がする。