DecaBDE 米国市場から段階的撤退決定

12月17日,EPAニュースリリースに以下の様な記事が出た。

EPA Reaction to DecaBDE Phaseout Announvement
http://yosemite.epa.gov/opa/admpress.nsf/d0cf6618525a9efb85257359003fb69d/5a60186ade4017e58525768f006df082

EPAが何らかの方針を出したのか,と思ってダラダラと読んでいると,そうではなかった。
News releaseのネタ元文章を探して読むとどれだけ大変なことになっているかが分かる。

DecaBDE Phase-out Initiative
http://www.epa.gov/oppt/existingchemicals/pubs/actionplans/deccadbe.html

米国の(世界的にも)DecaBDEの2大製造メーカーであるAlbemarleとChemutura,そして米国最大手の輸入メーカーICLが,米国におけるDecaBDEの段階的使用禁止に合意したというのだ。それぞれのメーカーがリリースした文章も同時に公開されている。規制でどうこうするのではなく,川上企業を封じることで完全に禁止状態を作るようなのである

それによると,

  • 2010年末まで 電気電子機器へのDecaBDE使用を完全代替
  • 2012年末まで その他の用途(主に繊維でしょう)へのDecaBDE使用を完全代替
  • 2013年末まで 輸送機器・軍事利用のDecaBDEを完全代替(車や航空機に関しては多くのパーツに難燃性の付与を義務付けているため)

するというタイムスケジュールの模様。

今回の禁止に踏み切った根拠は「DecaBDEの代替物質が存在しない用途が見当たらないため」なのだそうだ。欧州ではRoHSによって(電気電子用途のみ)ほぼ使用禁止,そして米国でも使用禁止,ということになると,市場が一気に無くなる。

EUリスクアセスメント(EURA)の結果は完全無視ですね。こんなことならEURAやらなくても良かったのでは?お金がもったいない。



【追記】12月20日
C&ENニュースでも取り上げられています。コトの大きさが徐々に明らかになってきた感じですね。
http://pubs.acs.org/cen/news/87/i51/8751notw12.html
日本語訳
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_09/09_12/091218CEN_decaBDE.html