川端文部科学相の科学に対する認識

食品安全Blogで畝山さんも取り上げられていた。

サイエンスポータル(2009年10月23日)
http://scienceportal.jp/HotTopics/interview/interview45/03.html
川端文部科学相へのインタビュー「新政権における文部科学行政の考え方など」

まずはインタビュー内容をご覧ください。

- 理系出身者として科学の魅力、醍醐味を実感したことはありますか。
 企業では研究開発をしていましたから,新しい世の中にないものを作っているときは,まさに「お天道様はミスを見逃してくれない」というのが鉄則ですね。僕は水処理をやっていましたから…(略)…全部終わったと思ってもミスは見逃してくれません。
- 最後に政治家としての信条を聞かせてください。
 自然科学の世界にいると一点のミスも許してくれません。そして自然科学では正しいことは正しくて,間違ったことは間違っているとはっきりしています。しかし,政治の世界というのは,全く正しいということはなく,いろいろな評価があって百点もあればマイナス百点もあるという世界です。

これに対し,畝山さんは以下のようにコメントされています。

これって科学をわかっていない人が言いそうなこと。それなのに自分は科学をわかっていると思っているらしいところがさらに悪い。

I exactly agree with her.
川端さんがおっしゃっている“科学”とは,企業の研究開発における“科学”として分類しなければならないと考えます。つまりこの場合の科学とは,企業のコンプライアンス遵守を前提としたものであろうということです。
このような考え方を正しいと信じ込んでいる方が多いことで,例えば食品安全委員会の吉川教授不同意問題やトクホ問題も起こったのだと思います。もちろん,前者に関してはリスク管理とリスク評価の分離についての認識がなかったことも大きな要因だったのかもしれませんが,そもそもリスク評価をすればそれが「全てを明らかにするのだ」という様なことはないのですから。
さあ,政治主導がいよいよ始まりますね(苦笑)。