残留農薬の一律基準廃止:海外はどんどんと進んでいく

畝山さんの食品安全ブログより

情報通知:食品の残留農薬一般最大規制値0.1 ppmを使うことを最小化することについての進行状況
Information Note: Progress on Minimizing Reliance on the 0.1 Parts per Million as a General Maximum Residue Limit for Food Pesticide Residue
December 2009
http://www.hc-sc.gc.ca/cps-spc/pubs/pest/_fact-fiche/gmrl-lmrg/index-eng.php
作物と農薬に特定のMRLが設定されていない場合には一般最大規制値(GMRL)の0.1ppmを使用することになっている。しかし過去10年以上にわたってヘルスカナダは基準値の整備を進めてきた。2006年にヘルスカナダは最終的にはこのGMRLを取り消す提案について意見を求めた。関係者から寄せられた意見やさらなる検討を経て、ヘルスカナダはGMRL廃止の時期を決める前にGMRLへの依存性を段階的に削減することにした。

日本ではこういった議論はなされているのだろうか?一律基準による問題が多数起こっていることは周知の事実だが,それよりも一律に基準を設けてスパっとした規制を得ることで国民の「安心」を買っているのが現在の日本ではないか。とりあえず安心している,というのが状況ではないか。そうしている間に,海外では議論を終え,今や一律基準を廃止する行動を起こしている。
環境リスクを抑えるあまりに膨れ上がったこの,『コスト』増大というトレードオフをどう認知し,どう対処するか。考えどころではないか。