久々の休日らしい休日 餅つき大会

研究室の先輩のKTOさんに連れられて,保土ヶ谷区常盤台自治会主催の餅つき大会に参加した。常盤台自治会の範囲の約半分を横浜国立大学の敷地が占めている。今日は朝からまさに晴天で,寒くもなく,いい餅つき日和だった。
実は僕は自治会とかに入っていないし(むしろ現在住んでいるところは常盤台のとなりの神奈川区羽沢),以前に顔を出したこともない。ビラが掲示板に張られていたりした関係で認知し,参加することにした。参加者はKTOさんと僕の二人だった。
幼稚園の校庭が会場とのことで,この歳になって幼稚園の庭なんてところに足を踏み入れたことはなかったし,むしろ踏み入れようとせず避けてきたものだから,それだけでも緊張したし,いわゆるサプライズで若者二人がぶらりと登場するという設定だったものだから,どんな風に断られるのかすっごく心配だった。日頃から横浜国立大学の学生で悩まされているだろう地域住民の方々だったし。。。
結果,自治会の会長さんの計らいで混ぜてもらえることになった。参加者は地域の住民の方々約150人くらい(と会長さんは言っていた)で,約30キロのもち米を二つの臼(うす)で休まず次々とついていく。見渡した限り,20代の若者なんてのはいるわけもなく,どんな振る舞いをしたら粗相にならないかずっと考えながら,とりあえず体を動かすことに精を出した。
初めはなんだかよくわからない若者が…という感じで敬遠されていた感じがあったが,臼のそばにずっといて子供たちのために餅つきしている自分の姿が次第に周囲に溶け込んでいくのがわかった。
←御年85歳のおじいさん。「まだまだ若い者には負けたくない」と言って杵を振るう。それにしても筋力では我々のほうに分があるはずなのに,音が違う。やはり年の功か。
会長さんが本当にいい人で,僕ら大学生(詳しく言うと大学院生だが)に対してつきっきりでいろいろと話をしてくれた。どうやらこの人,地域の改革派会長のようだ。大学とも連携したり,代議士の人と連携したりとまだまだパワーにあふれる69歳。これから横浜国立大学悲願の最寄り駅も作られる。通学路はどう設定しようか,駅の名前はどうしようか等々,まだまだ改革に終わりはないようだ。大学生のボランティアや参加者を募るのだが,結局は参加する人はいないまま現在まで来ているらしい。特に印象に残った言葉は,
『大学生の悪いところをとやかく言うのはやめた。むしろ,良いところをもっと地域に向けてもらえるようにしたい』
僕も同じ意見。大学生の悪いところを挙げるとキリがないし,悪い点を見つけても彼らには改善する気がないのだからいいことはない。むしろ,良い点をもっとクローズアップしてあげることで,悪い点を解消していける足掛かりを作る,という会長の心意気が伝わってきた。心地よかった。


さて,なぜこのような話をブログに書き込んだかというと,今ふと思えばこれは『リスクコミュニケーション』だったんだな,と思った。横浜国立大学側は1万何千人もいる中の2人だけだったが(地域住民の方も何千人のうちの150人だったが),餅つき大会の最後には全体の前で紹介・あいさつする機会も作っていただけて,参加者の方々皆さんに心から「ありがとう」と言ってもらえた。たった2時間半,汗を流して奉仕しただけでも,結構強い信頼が築けた気がする。
お菓子もみかんもお餅の残りも飲み物も,抱えきれないぐらいもらった(お酒もいっぱい飲まされましたが)。一生懸命奉仕することは,そして,そこに何も『目的』のない奉仕は,たくさんの信頼となって返ってくるのだと,身をもって知った。机上の理論として理解していたことも,実際に感じるとよりなるほど感が強くなる。

以上,しがない休日の体験でした。