産総研 土壌リスク評価モデルGERAS

産総研TODAY(2010)Vol.10,No.01 でGERAS-3の記事が出ていたので,ふと思い出して日記を書くことにする。

土壌・地下水汚染のリスクを評価するシステム「GERAS-3」を公開
2009年9月30日
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2009/pr20090930/pr20090930.html

この様な記事が夏の終りに出た。僕の周りでも土壌の浄化を研究しているドクターの方がいたので,ある程度アンテナを張っていたところ引っかかった記事だった。その記事ではGERAS-3は以下のように紹介されていた。

 産総研は、2006年11月に土壌・地下水汚染を科学的に評価するための地圏環境リスク評価システム(GERAS)を開発し、“スクリーニングモデルGERAS−1”と“サイトモデルGERAS−2”を公開しました。これらは、すでに国内外の1,000を超える工場や事業所、自治体、大学などで利用されています。
 2009年9月には、新たに複合的な汚染物質の3次元的なリスク解析にも対応できる“詳細型モデルGERAS−3”を完成し、公開しました。鉱物油、揮発性有機化合物、重金属などの多様な土壌・地下水汚染を対象とし、環境リスクの時間的、空間的な分布が詳細に表示できるようになりました。また、対策費用の削減とリスクの低減を同時に達成できるといったメリットもあります。環境汚染問題で苦慮している工場や自治体などを対象として、自主的なリスク管理や浄化工法の検討に広く使用されることを期待し、無償で配布しています。

おぉ,すごいじゃん。
というのが,とっさに思った感想。評価できる物質群も充実しているし,経時的,区間的な分布を詳細表示できるし,対策費用も考慮出来て,それで“タダ”なんですから。
早速土壌リスクを研究している社会人ドクターの人に教えてあげて,実際に使ってもらった。
……結論は……
『普通のパソコンでは,計算スピードが遅すぎて使えない。評価グレード(グリッドを広くするとか,評価物質を少なくするとか)を下げないと実用的ではない。』
とのこと。えぇ〜っと思って,以下の様な返答をした。
『企業や自治体での自主的な環境リスク管理を期待して無償で配布されているものですから,産総研の開発チームに聞けば,きっと何か裏技を教えてくれますよ!そうじゃないと,自主的な管理なんて恥ずかしくてGERAS-3のサブタイトルなんかにつけられないですよ!』
と苦し紛れの弁解をする自分。
たっ,頼みますよ,GERAS-3。。。