環境規制策定の際の社会的要因の大きさとは②

結論② 規制値の策定に当たっては技術的な対策可能性が必ず考慮されている

技術的に不可能な規制は存在しないか,あっても運用段階では強行されないのが普通である。環境規制の策定過程は,実際には,どのような対策技術を実施するかということを巡っての論争過程となる。

NOx濃度基準は,…この水準への強制的執行は技術的に不可能であったため実施はされず,規制値自体も後年になって見直されている。

しかしながら,ダイオキシンに関しては,話が少し違うらしい。

ダイオキシン類対策の場合では,摂取基準ないしは環境基準から逆算して導かれる排出基準よりも桁違いに厳しい技術ベースでの基準(井上→ここでは恐らく,排出基準という意味で「基準」と略しているものだと考えられる)が適用されている。

  • これらの事例の積み重ねは,現在問題になっている,亜鉛の排出基準と環境基準の問題につながらないのだろうか?僕は杉山さんのこの文章の本文を読んでいないので,詳しくはここで論じることはできないけれど,どうやって見直しの過程に入っているか,その流れを抑えることは重要なこと。
  • ただ,上のこれらの環境汚染物質に関する規制はヒトに対して悪影響を及ぼさないように策定されたものだと思うので,亜鉛のように生態系への影響を考慮して作られた基準がいきすぎか,いきすぎでないかを判断するのは非常に難しいことのように思う。

今日も1個。