サブスタンスフローの"力"

LCAでは時間の概念をすっぽりと抜いて，平準化・一般化して考える。リスク評価では時間軸も多少考慮するけれど，その推移を見たりすることは一般的にない。評価した時が懸念なしなら，それでいいじゃないか，というスタンス。
さて，それらに対してサブスタンスフローやマテリアルフローといった評価方法は，ある時点における物質の流れを追う。そしてダイナミックサブスタンスフローというのはそれを過去から現在，未来まで推定する。
動的サブスタンスフロー，動的マテリアルフローを用いて意思決定につなげると銘打っている研究者がいて，それは多くのリスク評価者の願望と同じ。サブスタンスフローの権威，Leo Morf氏がその人。

Dynamic Substance Flow Analysis Model for Selected Brominated Flame Retardants as a Base for Decision Making on Risk Reduction Measures, study for the Swiss National Science Foundation, 2007
http://www.geopartner.ch/upload/FABRO_2007.pdf

Morf, Leo, Andreas M. Buser, et al. (2008). "Dynamic Substance Flow Analysis as a Valuable Risk Evaluation Tool A Case Study for Brominated Flame Retardants as an Example of Potential Endocrine Disrupters." CHIMIA International Journal for Chemistry 62: 424-431.
http://www.nrp50.ch/fileadmin/user_upload/Dokumente/chimia.2008.424.pdf

僕もサブスタンスフローについて，もっと勉強しないと。製品の流れを把握することは，今後さらに求められていくことだろうから。