科学的評価の伝え方

FoodScienceに定期的に畝山さんが投稿されている中の,一部を掲載する。畝山さんのページはUP後数日で無料で閲覧できる。
2009-06-24 うねやま研究室●新型インフルエンザの安心宣言から「安全・安心」を考える
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=3116

 08年12月にアイルランド産の豚肉にダイオキシン汚染が発覚した時、地理的に近い英国でもたくさんの豚肉が回収されました。汚染豚肉の中には既に消費されていたものもありました。この事件についてFSAの主任科学者Andrew Wadge博士が、食べてしまっていたとしても健康上のリスクはないという科学的評価の結果をFSAのサイトにある彼のブログで説明しています。
 その見解に対していくつか意見が寄せられているのですが、そのうち「消費者が大事なら(安全性に問題が無くても)アイルランド産の豚肉はフードチェーンから排除すべきだ」という意見に対して、Wadge博士は「私の仕事はダイオキシンの健康リスクに関して科学を正しく適用することであって、あなたを安心させる(soothe you)ことではない」と回答しています。この投稿者の意見は消費者の意見としてはありがちなものだと思いますが、それを明確に科学の仕事ではないと言えるのがFSAの科学者なのです。

このフレーズは,我々研究者が学会等で環境保護団体の人に何かイジワルな質問をされたときに有効と思いませんか?
しかし…カッコいい科学者もいるものです。