nano materialのライフサイクル評価

ナノマテリアルでもその製造〜使用〜廃棄のフローを追って,各フェーズから環境中への排出量を見て,経年変化して行くフロー量を見て,環境中での濃度を予測する,という論文が出ていた。EU,米国,スイスのフローを押さえたというのも大きなウリではないか。

Fadri Gottschalk, Tobias Sonderer, Roland W. Scholz and Bernd Nowack
Modeled Environmental Concentrations of Engineered Nanomaterials (TiO2, ZnO, Ag, CNT, Fullerenes) for Different Regions
Environ. Sci. Technol., 2009, 43 (24), pp 9216–9222
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/es9015553

ナノマテリアルの環境中への排出係数とか分かっているのかな?マテリアルフロー推定だけでもそんなに簡単ではないと思うのに,環境中濃度を経時的に予測してしまうというのは・・・分解とかパラメーターわかるんだろうか。でも,論文になっているのだからある程度分かっているということですよね。

■毒性のデータがない

と節々で言う。まあそのとおり。

■ナノ物質の性質は同じ物質であっても地域により異なる

と言う。これもまあ一義的に単物質だけでの分類が難しいのがナノ物質(というのでいいのかな?)。


ということは・・・さて,必要な毒性データを集めるためにはどれくらいかかるんだろう。