RoHS指令,時代の流れを早めるか

11月19日のENDSレポートの速報によれば,RoHS規制を強化すべきとの主張をつづったRoHS改正案が欧州議会議員(英国選出/緑の党!)より議会に提出されたらしい。
 http://www.endseurope.com/22652?referrer=search
ENDS EUROPEは無料ではないが,数日間のフリートライアルがある。僕は既に使いきってしまったが…ただしE-mailアドレスが複数あれば,何度でも登録できるというタイプのようだ(自分はまだその裏技は使ってはいないけど)。
内容はこうだ。

すべての臭素系難燃剤,およびすべての塩素系難燃剤を含む,7種類の化学物質のE&E製品(電気電子機器製品)への使用を禁止すべき

7種の化学物質とは,ポリ塩化ビニル(PVC),塩素系可塑剤,フタル酸系可塑剤×3種類(DEHP,BBP,DBP)である。
ニュース記事によると,ソニーはハロゲンフリーの規制による強制化に賛成のようだ。代替物質の使用量が増えれば価格が下がることから,自社はより有利だろうという見立てのようだ。
いち企業で考えればもしかすると儲かるかもしれない。しかし,環境規制は不公平であってはならないし,全体としての最適を最大の目標としなければならないと思う(もちろん,理想と現実にギャップがないのがより良いが,それは理想論であろうことが最近分かってきたし,仕方のないことだろう)。
いま,企業はハロゲンフリーを過度に追い求めている。儲からないのに,である。しかしそれでも風評被害を受けてイメージを落とすことで発生する経営リスクを考慮に入れてのことである。
さて,今回修正案が出されたRoHS指令はこのハロゲンフリーを推奨しているし,おそらく,そもそもRoHS指令を作った時の当初の目的にもしていただろう。この改正案によって,時代の流れ(ハロゲンフリー)は早まるか。
■我々は誰のゼロリスク探求症候群につき合っているのか。いつまで付き合ってあげるのか。